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どの曲をどこまで使っていいの?著作権とは?

2022/05/12

「歌ってみた」をSNSにアップしたい…!

でも調べてみると 著作権? 違法? なんていう記載が出てきて、「なんか怪しい世界…?」 と不安に思っていませんか?

違法

本記事では「歌ってみた」をSNSにアップロードする際、 気をつけるべきルール結局何をどうすればOKなの? という情報について、できるだけ わかりやすく 解説していきます!

この記事を読めば 安心して歌ってみたが投稿できるようになる ので、投稿を考えている方は是非読んでいってくださいね。

この記事を読むと理解できること
◦ 投稿する時に気を付けるべきルールが分かる
◦ 歌ってみたの投稿で、「何がOKで何がNGなのか」が分かる

歌ってみたって違法なの?

まずはじめにお伝えしたいのが、歌ってみたは ルールをきちんと守っていれば決して違法ではありません!

正解

なぜ誤解されることが多いかというと、ルールを理解するのが非常にむずかしい からだと思います。

この難解さにより、現状SNS上には、ルールを守っていない動画 も多数存在しています。そういった動画では 作曲者や演奏家さんとの間でトラブルに発展すること も少なくありません。

ルールを守って発信している方もたくさんいるにも関わらず、 「結局ぜんぶアウトなんじゃないの?」 という不安が生まれたり、歌ってみたに対する なんとなくグレーなイメージ が生まれています。

ただしくルールを理解すればまったく問題ない行為ですので、この先の内容をきちんと理解していただければと思います。

著作権と原盤権

歌ってみたに関わる権利としては 大きく二つ あります。

それが 「著作権」「原盤権」 です。

著作権と原盤権

著作権とは?

簡単に言うと、曲を作った人が 「自分が作った歌や詞を勝手に使わないで!」 と言える権利です。権利を主張できるのは、当然 歌を創作した本人 ですね。

ここで言う「歌」や「詞」は文字通り 「歌」や「詞」 です。

つまり CD音源を使うこと はもちろんのこと、 自分で演奏したり、さらに言えばアカペラで歌うこと も、許可なく行うと権利侵害に当たる可能性があります。

原盤権とは?

「自分が録音した音源を勝手に使わないで!」 と言える権利です。

録音のために演奏をしたアーティストレコーディングに携わった人(レコーディング費用を出した人) が権利を主張できます。

例えば、私たちが普段聴いているCDは スタジオ、録音機材、CD など、様々なコストをかけて作られています。その制作に携わった人たちを守るための権利が 「原盤権」 になります。

著作権とは全く別の権利ですのでここを押さえておきましょう。

じゃあ、結局全部ダメなんじゃないの…?

そんなことはありません!

著作権や原盤権には、作った人や録音した人の権利を保護しつつ、それらを正当に利用するためのルールや仕組み が存在します。

そういったルールがなければ、たとえばこんなよくありがちなケースでもNGになってしまいますね。

  • 合唱コンクールでみんなで森山直太郎さんの「桜」を合唱したい
  • 購入したコブクロさんのCDをダビングして自宅で聴きたい

ここからは、どのように楽曲や音源を使用すれば問題ないのか 、そのポイントをくわしく解説していきます!

どんな条件を満たせばSNSに投稿していいの?

では、どういった条件を満たせば良いのか、できるだけ簡潔に説明していきます。

【結論】ぜったいOKな条件とは?

詳しいことは勉強したくないけど、とにかくOKな条件だけ知りたい! という方は
【ここだけ】 見てください。

以下の 全てを満たす 楽曲であればSNSに歌ってみたをアップロードしても問題ありません。

☑ 歌いたい楽曲が 「JASRAC」または「NexTone」 に登録されている
☑ 「YouTube」か「StandFM」 に投稿する
☑ 作者が 「使ってもよい」と公開しているオフボーカル音源 を使う

違う条件で配信したい条件をちゃんと理解したい という方に向けて、ここからもう少し細かく解説していきます。

1. JASRAC/NexToneへの登録の有無を確認する

JASRAC/NexTone はシンプルに言うと 「アーティストやレコード会社に代わって著作権の管理を行っている団体」 です。

楽曲を使いたい人は、JASRACやNexToneにお金を払うことで、正当に楽曲を利用することができる ようになります。(後述するYouTubeやStandFMは、利用者の分まで一括でお金を払ってくれているのです)

ですので 使いたい楽曲がJASRACやNexToneに管理されているのであれば ルールはシンプルです。

JASRACやNexToneに登録されているかはどうやって確認するの?

配信したい楽曲がJASRACやNexToneへ登録されているかどうか をまずは確認してみましょう。

JASRACの登録曲の確認の仕方

JASRAC作品データベース検索サービス

JASRAC

確認したい楽曲のタイトルを「作品タイトル」に入力することで検索が可能です。

詳細画面を押下し、 管理状況 > 複合 > 配信が「〇」 になっていることを確認してください。

JASRACとは
一般社団法人日本音楽著作権協会(にほんおんがくちょさくけんきょうかい: JApanese Society for Rights of Authors, Composers and publishers)は、日本の著作権等管理事業法を設立根拠法に、音楽著作権の集中管理事業を日本国内において営む一般社団法人である。公式に英語の略称である「JASRAC」の表記をロゴとして使っており、「ジャスラック」と発音する。
出展:Wikipediaより

NexToneの登録曲の確認の仕方

以下の検索ページから楽曲を検索し、「配信」権をNexToneが管理しているかを確認しましょう。

NexTone作品データベース検索サービス

NexTone

NexToneとは
株式会社NexTone(ネクストーン、英語: NexTone Inc.)は、楽曲の著作権者と利用者との間に立ち、音楽著作物やコンテンツを管理することだけにとどまらず、デジタルコンテンツディストリビューション業務やキャスティング事業等による楽曲の利用促進や、システム開発、音楽出版社向けサービスを推進する著作権管理団体。
出展:Wikipediaより

2. 「YouTube」と「StandFM」で配信する

なぜこれらのSNSで配信して良いかというと、「JASRAC」や「NexTone」と包括契約をしているからです。

どういうことかというと、YouTubeやStandFMは、 「使う人の分まで含めて、JASRACやNexToneに利用料を払ってくれている」 ということです。ですので、利用者はお金を払わずに 楽曲を使って投稿をすることができます。

特に利用者が多いYouTubeが包括契約してくれているのは、大変ありがたいですね!

逆にいうと、「Twitter」など 包括契約がないSNSに無許可で歌ってみたを投稿 すると、 著作権侵害 にあたるため十分注意してください。

ただし、ここでもうひとつ注意です!

包括契約にふくまれるのは、あくまで 著作権のみ です。先ほどお話した二つの権利のうち、 「原盤権=音に関する権利」 については許可されていないため、その点については次のポイントを参照してください。

3. 作者が「使ってもいい」といっているオフボーカル音源を使う

これまでにJASRAC/NexToneに登録されている楽曲の「詞」や「曲」はYouTube/SoundFMとの包括契約により配信できることを解説しました。しかし、包括契約にふくまれるのはあくまで 著作権 であって、 「原盤権=音に関する権利」 については許可されていません。

よって、たとえYouTubeであっても、 歌ってみたで利用するオフボーカル音源(=原盤)の利用許可が出ていない 場合、原盤権の侵害にあたる可能性があります。

原盤権侵害にあたる可能性のある音源
◦ プロのCD音源のインストバージョン
◦ JOYSOUNDやDAMが配信するカラオケ音源

これらの音源は手に入りやすく使いやすいので、一見問題なく思われがちですが、注意が必要です。

特にカラオケ音源は、AppleStore等で有料で購入することができるので誤解されがちですが、例えお金を払って購入したものであってもSNSへの配信は認められていない場合が多いです!

本題では無いですが、ちなみに カラオケルームで歌った音源や映像をSNSに投稿することもNG ですので注意しましょう。

作者が「使ってもいいよ」と言っている音源とは?

では作者が使ってもいいよと言っているかどうかはどこを確認すれば良いでしょうか?

結論的に言えばその音源を作って配信されている方のサイト上の説明やHPなどで確認するしかありません。

しかし最近ではYouTubeでプロの曲やボーカロイド曲のオフボーカルバージョンを上げているクリエイターが多く、動画の概要欄などにダウンロードURLを記載してくれている方も多いです。

オフボーカル

そういったクリエイターの方は音源の使用を許可していることが多いので説明欄を読んで、OKであれば使用しましょう。注意として 「配信する場合は楽曲の使用元を書いてね」 などと条件を入れている方もいるのでよく読むようにしましょう。

まとめ

「歌ってみた」で配信したい楽曲が、まず「JASRAC/NexToneに登録されている」ことを確認します。その次にYouTube概要欄などから「使っても良いよ」と言われているカラオケ音源を貰います。自分の歌によるカバー音源が出来たら「YouTube」か「StandFM」にて配信します。

それだけです!

ルールを確認せずに「この人も配信しているから自分も大丈夫だろう」と安易に配信することは避けましょう。

「JASRAC/NexToneに楽曲が登録されていない」場合の配信の方法については別の記事で解説をしていますのでぜひそちらも読んでいただけると幸いです。