
何度も聴く!歌ってみたを上手に歌うための練習
2022/07/19
歌ってみたは、正直いうと歌が苦手な人でも上手な仕上がりにできます。
ミキシングという作業でボーカルプロセッサーなどを使って編集すると、ピッチやタイミングは『修正』ができるからです。
でも、歌い手のハートの部分は機械では作り出せません。
一生懸命練習した人の歌からは、その『血と汗の結晶』が表現力として聴こえてきます。
あなたは動画サイトで歌ってみたを視聴する時、ハートを感じる歌に心を動かされたことがありませんか?例えば、ボカロ曲のカバーを聴くと、機械的なチューニングを施されていても、何か血の通った表現を感じませんか?
ボカロとヒトの、どちらの歌が優れているという問題ではありませんよ。
ボカロにはボカロの良さが、ヒトにはヒトの良さがあります!ボカロみたいに歌う必要はありません。
あなたにしか表現できないハートの部分を歌に込めることができたら、素敵ですよね。
今回はその方法のひとつをご紹介します。
この記事でお伝えするのは・・・
- 母音を真似て練習する
- 音価と強弱をよく聴いて真似てみるのも大切
- お手本と一緒にマイク無しで歌う
- 録音して自分の歌をイヤホンで客観的に聴く
好きな歌声(お手本)を見つけよう
これは難しいことではないと思いますが、いざ「見つけよう」と言われても見つからないかも知れませんね。「好きな歌声」つまりこんな風に歌いたいと思える「歌」あるいは「歌い手」です。 あ!ボカロは選択肢に入れないでくださいね!
ここはヒトのハートが通っている歌『限定』でお願いします!!
昭和歌謡の歌手もいいですね。洋楽のシンガーもOKです。バンドのボーカリストにも素敵な声のヒトがいっぱいおられますね。男女は問いませんが、音域的に歌いやすい方が良いです。
あなたがお手本にしたいと思える歌い方を見つけましょう!
お手本を何度も聴く(まずは母音に着目!)
- まず、その曲の音源を用意して1コーラス(1番だけ)聴いてみましょう。
- もう一度聴きます。今度はできるだけ長く声を伸ばしているところを探して、その『母音(ぼいん)』を聴いてみてください。
【母音】とは
Ka(か)なら『a=あ』の音、Nu(ぬ)なら『u=う』の音『あ・い・う・え・お』の音のこと*です。ここでは例えば『さよならぁ〜♪』という歌詞があったとすれば、長く伸ばした最後の『あ〜』の音を聴きます。
- その母音の響きを聴いて感じた『味』や『色』を見つけましょう。 『甘い』 とか 『暗い青』 とかです。五感を働かせてよく聴いて見つけましょう。自分の感覚で決めちゃってOKです。
真似て歌ってみましょう
最後に、そのフレーズを真似て歌ってみましょう。その時、『甘い母音』や『暗い青っぽい母音』など、感じた味や色も真似て表現しましょう。 そっくりにできるまで、何度もやってみてくださいね。 あまり深刻にならないで、楽しく、でもしっかりと追求してください。
いかがですか? 文字で書くとちょっと抽象的で難しかったかも知れませんが、
母音のニュアンス、特徴にはその歌い手のテイストやカラーが出るものなんです。
お手本の歌を練習するときは まず母音を真似てみる のが、地味ですがとてもいい練習になります。
「ボカロを選択肢に入れないで」とお願いしたのもそのためです。
ボカロは母音のニュアンスがヒトのように出ませんよね。
母音のニュアンスが聴き取れるようになったら、次はフレーズ全体。それができたらサビを全部。それもできたら1コーラス全部・・・というように、母音を真似ながら歌ってみましょう。
母音は短い音にもありますから、そこを真似るのも挑戦してくださいね。
「なぜ自分はこの歌をお手本に選んだのかな?」
「この母音の切ない響きが好きだからかも」
というように、 母音にその歌い手独特の個性が出ることにも気付ければ大成功です。
余談ですが、楽器の演奏にも同じことが言えます。
ピアノやギター、サックス・・・そのサスティーン(伸びる音)の部分にそのプレイヤーのハートが表現され、聴く人の心を魅了します。歌では母音の部分です。聴く人を魅了する母音を目指しましょう。
メロディーだけではなく音価と強弱もコピーする
お手本を使った練習のポイントには母音を真似る以外にもあります。
『音価(音の長さ)』と『強弱』をしっかり聴いて同じように歌ってみることも、とても良い練習になります。多くの人は曲を数回聞いて、メロディーを覚えたらすぐに歌い出します。
これ、浅いお勉強の仕方ですね。
もっと何度も聴いて、声の表現を深く掘り下げましょう。
お手本と一緒にマイク無しで歌う
掘り下げてるばかりじゃつまらないので、もちろん歌うことも必要です。
でも、 すぐにカラオケで歌うより、お手本と一緒に歌うのが超オススメ!
マイク無しでお手本と自分の声が両方聞こえる環境で歌うと、お手本の音価と強弱も歌いながらつかむことができます。
自分の歌を録音してイヤホンで聴く
歌うだけではなく、客観的に自分の歌と向き合う時間も大切です。
お手本と一緒に歌ったものを録音して聴きましょう。
「え?こんな風に歌ったかな?」
「ここはもっと大きく歌っていいんだ」
など、気付きがいっぱいです。
そこを直してもう一回録音〜聴く〜録音〜聴く・・・繰り返して、猛練習しましょう。
録音はスマホのボイスメモなどでOKです。
ただし聴くときはイヤホンでしっかり隅々まで聴きましょう。
これと思った曲は対価を支払って手に入れよう
お手本曲は何度も聴いたり、部分的に聴いたり、ネット環境のないところでも練習できるように
動画サイトやサブスクじゃなくちゃんと購入しましょう!
お手本本家も嬉しいし、あなたがプロの著作者になった時、音楽になけなしのお金を支払ったあなたを見ていた神様が、お仕事をくださるに違いありません!
まとめ
今回は歌ってみたを上手に歌う(ハートを込めてあなただけの声で歌う)練習法、コツをご説明しました。
- 母音を真似て練習する
- 音価と強弱をよく聴いて真似てみるのも大切
- お手本と一緒にマイク無しで歌う
- 録音して自分の歌をイヤホンで客観的に聴く
練習を続けるのは根気が要りますが、 あなたが「素敵だな」と感動する歌をうたっている歌い手で練習しなかった人はいません、絶対に! もしインタビューで「練習? したことないっすよ」と言ったとしても、それは表向きの発信に過ぎません。水面を滑るように進む優雅な白鳥ほど、水面下では懸命に両足で水を蹴って努力しているものです。
毎日コツコツ、そして好きな歌を楽しく歌って練習を積みましょう!